ピアノハウスジャパン・Blog

ピアノハウスジャパンは、神奈川県座間市・大和市に渡ってピアノ修理工場・ショールーム・音楽教室を営む会社です。社員全員がピアノと音楽をこよなく愛するピアノ技術者。このブログはそんな弊社の社員たちによる、ときにはまじめな、ときには気ままな日記です。
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晴れのち雨
JUGEMテーマ:音楽
久々、 日曜日にショールーム担当のモリリです。

午前中はとてもいい天気でしたが、昼過ぎから急に空は真っ暗で雨へ。
蒸し暑い季節になってきましたね。

ピアノハウスの業務用除湿機もフル回転です。
すでになんどかブログでも取り上げていますが、温度・湿度管理はピアノを
長持ちさせるためにとても重要です。

ピアノの大部分は木材です。
木製ピアノパーツとして一番に連想されるのは、たぶん、ピアノの大部分の面積を
占める響鳴板ではないでしょうか。

でも、本日のテーマは、ちょっと地味に、ピン板。ピン板とは、約230本くらいの調
律ピンが打ち込まれている板のことです。調律ピンにはピアノ弦が巻きついていて、
このピンを調律ハンマーで回転させることで弦を張ったり、緩めたりすることができ
ます。調律師はこれによって、音の高さを調節して音律をつくります。



ピン板はフレームの下にあるので、普段は見えません。
グランドピアノでは譜面台の下に調律ピンが並んでいるのがかろうじて見えます。その
位置にピン板があります。
アップライトピアノでは屋根をあけない限り調律ピンさえみえません。

次の写真は昨年修理したSteinway Model Cのものです。金色のフレームの
下がピン板。たくさんの穴に調律ピンが打ち込まれているのがみえます。
(フレームに書かれている数字は弦の直径を表す数字です。)

調律ピンの打ち込み

これらの調律ピンは、調律ハンマーで回転させたとき、ある程度の「トルク」をもっている
必要があります。言葉を変えていうと、調律ハンマーにある程度の力を入れて回さ
ないと調律ピンが回らない状態でなくてはならない、ということです。

調律ピンをまわす力の大きさはもちろん手で測ることもできますが、調律ピンを全交換
するような場合は「トルクレンチ」という特殊な工具を使用して測ります。こうやって数値
によって「トルク」を確認しながら、適切な「トルク」を持つように一本一本ピン穴の状態
を整え、調律ピンをピン板に植え込んでいきます。(次の写真参照。)

トルクレンチ


最初の写真で調律ピンの頭に黄色のテープが張ってあるものがトルクが少し
弱いピンです。このようなピンは、調律ピンを太いものに交換したり、硬い木の
鉋屑をピン穴にいれてピン穴を細くし、トルクを強めます。


古いピアノでは、このピン板が割れてしまっている場合もあります。
激しい温度・湿度変化の元に長年置かれたピアノはそのようになる可能性があります。
割れがピン穴にかかっている場合は、自体は深刻です。調律によって音の高さを安定
させることができないので、そのピアノは事実上、演奏不能となります。このような場合、
ピン板そのものを交換する必要があります。

これからの季節、ピアノ周辺の温度・湿度管理には、十分にご注意を!


| steinway C 修理記録 | 19:32 | - | - |
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